災害事例 巻上げワイヤロープが巻切れ、つり荷が落下

業種：製造業

あらまし

製鉄所構内の製品倉庫において天井クレーン（つり上げ荷重３６ｔ）のフックを降下させるつもりで操作したところ、フックが突然巻き上がりその上部がクラブの下面に激突し、巻上げ用ワイヤロープが切断してつり具が落下した。
安全装置である巻過防止装置としてカム式リミットスイッチがとりつけられており、このとき装置は作動しなかった。
年次、月例検査とも行われていた。

原因

1. 巻上げ操作用絶縁端子板に表面の汚れ、ほこりがたまり、さらに湿気が加わったため微弱電流が流れて端子板が炭化した。この繰り返しにより操作回路に短絡回路が発生したことにより、巻過防止装置が作動しなかったものと推定される事。
2. 年次検査等の定期的な検査において、電磁接触器等におけるほこりや汚れ等に関する検査を十分に行わず、これらが除去されていなかった事。