業種:製氷業
あらまし
災害が発生したのは、工業用原料等の輸送を行っている事業所で起こった。
被災者は、原料を輸送するための専用タンクローリーの運転手をしており、原料メーカーから客先の工場あるいは工事現場までの輸送に当たっていた。
災害発生当時、被災者は先ずタンクローリーを停め、倉庫内に設置されている天井クレーン(床上操作式、つり上げ荷重2t、揚程約5.5m)を使用してタンクローリーに原料(コンテナに入っている)を入れるため巻き上げをしていたところ、巻き上げワーヤーロープを巻き切り、ワイヤロープ端末固定部付近でワイヤロープが切断、コンテナが落下し、コンテナを運転していた被災者に当たった。
原因
- 巻き上げ防止装置が有効に作動しなかった事。
天井クレーンの巻き上げ装置が故障しており、有効に機能しなかった。 事業所ではクレーンの定期自主点検及び作業開始前点検を行っておらず、故障していることを知らなかった事。 - 通常は、事業所の一人がクレーンを運転するところ、運搬量が少ないこともあってタンクローリー運転手が一人で作業を行った事。
この運転手は、クレーン運転についての特別教育を受けておらず、クレーンの知識が不十分なまま作業を行った。